受験プランニングガイド

大学・短期大学入試の基本を押さえて、実力を最大限に生かせる入試方法をみつけよう。

総合型選抜を知る!

他の入試方法もチェック!

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総合型選抜の基本

総合型選抜とは?

学校と受験生が、入学についてのお互いの意志を面接などで確認し合いながら選考を行う入試。 学校側はアドミッション・ポリシー(受け入れ方針)を明確にしたうえで、志望動機、将来の目標、 個性や能力など、さまざまな角度から受験生を評価する。


他の入試方法との違いは??

大きな特徴として、学校長の推薦を必要としないことが挙げられる。受験生の個性や適性、何よりその大学で学びたいという意欲が重視されるのが特徴。そのため、面談を複数回行ったり、かなり専門的な内容で論文を出したりすることも多い。志望理由書や大学での学習計画書などを提出するケースもある。


こんなキミにおすすめ

下の2~5のうち、どれか1つでも「頑張った!」といえるものがあれば、AO入試でそのチカラを生かすことができる。好きなことや得意科目が、志望校や志望学科で学びたい内容とリンクしていれば、なおグッド。「ぜひともこの学校で学びたい!」という動機をアピールするための強力な要素になるぞ。




実力を発揮できるのは、たとえばこんなキミ!

  • ●自分をアピールすることが得意だ
  • ●授業や課外活動で、「一生懸命、頑張ってきた」といえることがある
  • ●課外活動はしていないけれど、学外での活動で夢中になっていることがある
  • ●志望学科の学びに関心があり、その学校への強い入学意志がある

総合型選抜がみるみるわかるツボ

ツボ1アドミッション・ポリシーをよく読んで、学校を理解しよう
アドミッション・ポリシー(受け入れ方針)とは、学校がどのような受験生に入学してほしいか、その考えを文面に表したもの。まずは、これをよく読み、自分自身に照らし合わせて、"学校が求める人物像"と合致しているか確認してみよう。
~アドミッション・ポリシーの例~

●将来、国際的な舞台で活躍したい学生
●本学で意欲を持って学び、将来は教育や保健福祉の発展に尽くしたい学生
●本学の教育理念を理解し、その中で自分を磨き、努力を重ねながら目標に向かっていく学生


ツボ2エントリー制の有無を確認しよう
エントリー制を導入しているかどうかによって、総合型選抜選考の手順やポイントは違ってくるぞ。

●エントリーがあるパターン

出願前にエントリーをするパターン。エントリー後、面接などを行い、学校と受験生が相互理解できる機会を持つ。志望校の特徴を確認してから出願するかどうかを決められるのが、最大のメリット。

●エントリーがないパターン

学校推薦型選抜や一般選抜と同様に、出願後に選考を行う。出願時に複数の書類を提出させる学校が多い。


ツボ3選考は長期間にわたる。「じっくり・ていねいに」がポイント
総合型選抜の特徴の一つに、「受験生の能力を総合的な視点で判断する」という点がある。学校では、受験生の入学意志や学問への意欲、性格・個性・能力などを理解する目的から、複数回にわたって、じっくりと選考を行う場合が多い。 もちろん受験生も、選考を通じて、学校の特徴や学びの具体的な内容をしっかりと理解することができる。 中には、合格発表までに数ケ月かかる学校もあるほど。つまり、総合型選抜は"じっくり・ていねいに"が選考のポイントだ。

こんな選考タイプがあるよ

A課題提出型
出願時に課題を提出する選考タイプ。課題の内容は、芸術学科なら「美術作品の提出」など、学部・学科の学びに関連したものが多い。芸術系や理工系など、ものづくりに関連した学科で多く実施している。選考では、課題のテーマや作成時のエピソードなどプレゼンテーションを課す学校もある。

課題制作や創作活動が好きな人におすすめ。選考では課題に関するプレゼンテーションを行う場合が多いので、制作中に起きたことや感じたことを忘れずにメモしておこう。

B対話型
複数回の面接を行い、受験生と学校の相互理解をじっくりと深めていく選考タイプ。 出願前に何度も面接を行って、出願後には書類選考のみとするタイプもあれば、左の例のように、出願前・出願後の両方で面接を行うタイプ、エントリーがなく出願後の面接と書類審査などで選考するタイプが代表的だ。

これまでの自分を振り返り、アピール材料や志望動機を明確にしておこう。また、模擬面接などを行って、面接当日に自信を持って自分をアピールできるようにしておきたい。

Cプレゼンテーション型
選考時にプレゼンテーションを行う選考タイプ。出願時に課題や自己アピール文を提出し、その内容に沿って与えられた時間内でプレゼンテーションを行う場合がほとんど。しかし、選考の際に課題を制作し、その場でプレゼンテーションを行うケースもあり、その方法は学校によってさまざまだ。

何をアピールしたいのか、まずは焦点を絞ってみよう。必要であれば選考日までに資料を作成し、実際にそれを見せながらプレゼンテーションを行うのもおすすめだ。

D体験入学型
模擬授業や体験学習、体験実習など、キャンパスで行われるイベントへの参加が課される選考タイプ。オープンキャンパス開催時に行われることが多く、参加後にレポート作成やディスカッションを行う学校もある。受験生にとっては、志望校で行われている授業の雰囲気を味わえるという利点がある。

模擬授業や体験学習で取り上げられるテーマは、ほとんどの場合、志望学部・学科での学び内容に関連したもの。日頃から、新聞や書籍などを読んで、知識を深めておこう。

E書類審査型
小論文、プレゼンテーションなどの選考を行わず、書類による選考を重視する選考タイプ。基本的に、合わせて面接を行う場合がほとんどだ。「書類審査だけなら簡単」と思いがちだけど、総合型選抜の場合、自己アピール文、感想文など出願時には多くの書類が必要。事前に入念な準備をしておきたい。

合格のカギは、出願時に提出する書類すべてにかかっている。納得のいく内容のものができあがるまで、何度でも書き直すというくらいの気持ちでトライしたいところだ。

F小論文・作文型
小論文や作文を課すタイプの総合型選抜。与えられたテーマについて小論文を書いたり、課題図書の内容について感想文を書く。テーマや課題図書の内容は、志望学部・学科の学びに関連したものが大多数。小論文や作文のみとする学校は少なく、多くの場合、選考では面接なども同時に行っている。

日頃から、自分の考えを文章にまとめる練習をしておくことがいちばんのポイント。小論文を自分なりに書いてみたら、国語の先生に添削してもらうとよいだろう。