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診療放射線技師とは…

各種放射線で患部を検査・治療

各種画像検査や医用画像管理を行い、医師の診断・治療に不可欠な情報を提供するのが『診療放射線技師』の仕事。
技術の高度化・専門化にともない、活躍の場は増大しています。

編集協力/(公社)日本診療放射線技師会

仕事の内容

各種画像検査や医用画像管理を行い、
医師の診断・治療に不可欠な情報を提供する

 診療放射線技師は、医師や歯科医師の指示に基づき、人体に放射線を照射する放射線検査・治療のスペシャリストです。現在、医療機関(病院・診療所・保健所など)を中心に大学や企業の研究所、原子力関係機関などで活躍しています。各種放射線技術の高度化・専門化にともない、その活躍の場はますます増えていくことでしょう。
 診療放射線技師の主な仕事は次の5つに分類されます。

各種画像検査

エックス線には、ものを透過する性質があり、この透過力はエネルギーの大きさ、物質の材質や厚さなどでかなり差があります。このエックス線の透過力の違いを利用して、疾病の診断に必要な検査を行うのがエックス線検査です。最近では、人体に影響を与える電離放射線を使用せずに検査できるMRI 装置、超音波装置、無散瞳眼底カメラ装置を用いて検査することも可能になりました。

核医学検査

ラジオアイソトープ(放射性同位元素)を使って臓器の位置、かたち、大きさや機能の検査を行います。ラジオアイソトープの化合物を静脈注射などで体内に注入し、放出される放射線を測定。その分布状態を調べることにより、体内の諸器官の働きや異常を調べ、診断します。

放射線治療

エックス線を含む放射線には、生物の細胞を破壊するという性質もあります。この性質を利用して悪性腫瘍の治療を行うのが、放射線治療です。 放射線にはいろいろなエネルギーのものがあり、エネルギーが大きいほど透過率が高くなります。また、その照射方法により、手技が大きく異なります。外から放射線を照射するものや体の内側から照射するものがあります。

①外部照射療法
体の外から高エネルギーエックス線や電子線などを病巣に照射し、体を傷つけることなく行う治療法です。事前に治療計画を行い、腫瘍周囲の正常組織への影響を最低限に抑えて治療します。

②小線源療法
ラジオアイソトープを密封した管や針を患部に直接注入し留置する治療法で、病巣に集中的に放射線を照射できます。

③ラジオアイソトープ内用療法
特定のラジオアイソトープが特定の場所に集まる仕組みを利用して、ラジオアイソトープが含まれた医薬品を飲んだり、注射したりすることによって行う治療法です。悪性腫瘍のほか、甲状腺疾患にも用いられます。

医用画像情報管理

PACS(画像保存通信システム)やRIS(放射線部門情報システム)の運用管理を行う知識を持ち、適切な医用画像の利用を進めます。

放射線管理

放射線は医学に大きな進歩をもたらしましたが、生物の細胞を破壊したり、遺伝子に変化を与えたりする性質があるため、その取り扱いを誤るとたいへん危険です。このため、放射線による障害や事故を防止するために放射線の安全管理を行うことも診療放射線技師の重要な仕事となっています。また、2020年4月より診療用放射線の安全管理が義務化されることから、更に重要となってきます。
実際に診断を下し、治療法を決定するのは医師や歯科医師です。しかし、医師の診断・治療に不可欠な情報を提供する診療放射線技師の役割はとても大きいといえるでしょう。

資格の取得方法

診療放射線技師の仕事は医師または歯科医師の指示のもとに、アルファ線やベータ線、ガンマ線、エックス線などの放射線を人体に照射することです。人体への放射線照射は、医師または歯科医師、診療放射線技師の免許を持っている人だけに限られています。そのため診療放射線技師として働くには、診療放射線技師国家試験に合格し免許を取得しなければなりません。

国家試験の受験資格

診療放射線技師国家試験の受験資格は、以下のように定められています。

❶高等学校卒業後、文部科学大臣が指定した学校において3年間以上、診療放射線技師として必要な知識および技能の修復を終えたもの。
❷高等学校卒業後、都道府県知事が指定した診療放射線技師養成施設において3年以上、診療放射線技師として必要な知識および技能の修復を終えたもの。
❸外国の診療放射線技術に関する学校または養成施設を卒業後、免許を取得した者で、厚生労働大臣が❶〜❷と同等以上の学力・技能があると認めた者。

なお、心身の障害により、診療放射線技師の業務を適正に行うことができない者は、免許が交付されない場合もあります。

国家試験

診療放射線技師国家試験は年1回、北海道、宮城県、東京都、愛知県、大阪府、広島県、香川県、福岡県の8カ所の試験地で実施されています。
試験科目は、①基礎医学大要、②放射線生物学(放射線衛生学を含む)、③放射線物理学、④放射化学、⑤医用工学、⑥診療画像機器学、⑦エックス線撮影技術学、⑧診療画像検査学、⑨画像工学、⑩医用画像情報学、⑪放射線計測学、⑫核医学検査技術学、⑬放射線治療技術学、⑭放射線安全管理学、の14科目。
平成30年度の診療放射線技師国家試験は、受験者3,202人に対して合格者2,537人で、合格率は79.2%でした。

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