臨床検査技師 めざせる学校を探す 資格の取得方法をみる

臨床検査技師とは…

健康管理のコーディネーター

医師の指示のもと、診療や治療方針の決定、治療効果の確認に必要なさまざまな検査を行い、正確かつ的確な検査結果により医師をサポートする『臨床検査技師』。
身体の声を聴く専門職として、医療現場で重要な役割を担っています。

編集協力/(一社)日本臨床衛生検査技師会 http://www.jamt.or.jp/

仕事の内容

診療に必要なさまざまな検査を行い、
正確かつ的確な検査結果データを医師に提供する

人体から採取もしくは排出される検査材料(血液、尿、病変組織、鼻因頭ぬぐい液など)を検査し、医師の診断・治療に必要な科学的データを分析するのが臨床検査技師の仕事です。検査内容を細かく分けると次の通りです。

生化学的検査・免疫学的検査

生体から採取した血液や尿などを化学的に分析し、その成分の増減などから病状を調べます。梅毒反応、リュウマチ反応、遺伝子、HIV、肝炎ウイルスなどを検査します。

微生物学的検査

病気の原因となる細菌やウイルスの有無を検査します。検出された場合は、その細菌やウイルスの種類・特質・性状・感染経路などを調べ、さらにどのような薬が有効であるのか調べます。

輸血検査

血液型の判定や交差試験などを検査します。特に血液型の判定は、手術時に輸血するにあたり重要な仕事です。

血液学的検査

赤血球や白血球の増減、血液の凝固機能、血液疾患の有無などを検査し、貧血や血液に関する病気について調べます。

病理学的検査

手術などで取り出した臓器を調べ、悪性の腫瘍細胞や細胞組織の異常変化などを検査します。

尿・糞便等一般検査

尿中の成分を検査することで全身の基本状態を調べます。糞便検査では大腸癌の早期発見や寄生虫感染などを調べます。

生理学的検査

直接患者に接して行う、超音波、心電図、心音図、脳波、筋電図、基礎代謝、呼吸機能、M RI、嗅覚、味覚など省令で決められた18項目の検査を行います。これらは患者さんの病気発見のために行われるものです。

遺伝子関連検査・染色体検査

最新の遺伝子解析技術を用いて、がん診断や微生物、血液腫瘍等の診断に寄与します。また染色体異常についても検査します。
上記の様々な検査を臨床検査技師が分析し、検査結果をもとに、各担当医が患者の診断・治療を行うのですから、検査上のミスは許されません。たとえば患者の検体を取り違えたら大きな問題になります。このようなことがないように、細心の注意と慎重さが要求される仕事です。医療スタッフの一人として臨床検査技師も、医師・看護師とともに患者の生命を預かっているのだという、医療人としての自覚を常に持ち続けていくことが最も大切です。

現状と将来の展望

医療技術の進歩や業務拡大にともなう数度の法改正で、臨床検査技師の取り扱う検査対象はますます広く、専門的になりました。新しい検査法の開発や関連科学分野の進歩による医療・検査機器の発展も、こうした傾向に拍車をかけ、臨床検査技師の役割を一層高めています。
現在、臨床検査技師の資格を取得する人は毎年3,500人ほどおり、その7割ほどが女性です。そして、有資格者の多くは総合病院、大学病院、診療所などの医療機関や、医療機関から委託を受けて検体検査を実施する検査センター、研究機関などで活躍しています。
また、医療機関の検査室での仕事だけでなく、外来や病室の患者から採血や各種検査用検体の採取を行うことや、患者に検査の説明を行うなど、より患者に近い場所での仕事が増えています。
臨床検査の専門家として、チーム医療の中で患者や医療スタッフにわかりやすく検査情報を提供する役割や、患者と医師をつなぐコーディネーターしての役割も期待されています。それに加え、今後は地域医療や在宅医療の充実が進むため、臨床検査技師の活躍の場はさらに広がっていきます。

資格の取得方法

臨床検査技師の資格を得るための最も一般的なコースは、高等学校卒業後、臨床検査技師養成施設において3年間(大学は4年間)学修し、国家試験の受験資格を得た後に、年1回厚生労働大臣の行う国家試験を受験して合格することです。

国家試験の受験資格

臨床検査技師国家試験の受験資格は以下の通りです。

❶文部科学大臣が指定した学校または厚生労働大臣が指定した臨床検査技師養成施設において3年以上、臨床検査技師になるために必要な知識と技能を修得した者。
❷大学において医学または歯学の正規の課程を修めて卒業した者。
❸医師もしくは歯科医師(❷に掲げる者を除く)、または外国で医師免許もしくは歯科医師免許を受けた者。
❹次のいずれかに該当する者で、大学または文部科学大臣が指定した学校、厚生労働大臣が指定した養成施設において、医用工学概論、臨床検査総論、臨床生理学、臨床化学および放射性同位元素検査技術学の各科目を修めた者。

㋐大学において獣医学、薬学、保健衛生学の正規の課程を修めて卒業した者。
㋑獣医師または薬剤師。
㋒大学において医学概論、解剖学、生理学、病理学、生化学、微生物学、医動物学、情報科学概論、検査機器総論、医用工学概論、臨床血液学、臨床免疫学の各科目を修めて卒業した者。
㋓外国の医学校、歯科医学校、獣医学校、薬学校を卒業、または外国で獣医師免許もしくは薬剤師免許を受けた者。

❺外国において臨床検査に関する学校もしくは養成施設を卒業、または外国で臨床検査技師の免許に相当する免許を受けた者で、厚生労働大臣が❶に掲げる者と同等以上の知識および技能を有すると認めた者。

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