ICとは、情報の処理や記録、通信などの機能を持った小型の集積回路のこと。一般にチップ状になっており、さまざまな工業製品、家電、カード類などに組み込まれています。このICを、用途に応じてサイズや盛り込む機能を設計し、最先端技術を駆使して開発にあたるのがICエンジニア。技術の発達により、ICは一般に小型・軽量化が進んでいます。
医療現場で用いられる電子機器の製造・保守管理にあたるのが医用電子機器開発スタッフ。主に取り扱うのは検査機器や診断装置などで、さまざまな医療用データの計測を自動化し、検査にともなう患者の負担軽減を実現できるような回路・装置の開発に取り組みます。生体工学や計測工学、電子工学などにわたる幅広い専門知識が求められます。
DVD、HDDレコーダー、薄型テレビなどのAV(オーディオ・ビジュアル)機器は新製品ラッシュ。小型・軽量で高性能の商品を短期間で市場に送り出さなければなりません。その心臓部ともいえる内蔵システムの研究、開発を行うのがAV系の電子機器エンジニア。最先端技術の応用力と電子工学の知識に加え、ユニークな発想力が不可欠の仕事です。
エレクトロニクス(電子工学)とは、日本の基幹産業の一つである電機産業を支える先端技術のこと。コンピュータをはじめ、家電製品などの電子部品にその技術が応用されています。これらの電子部品の開発・設計・製造に携わる人を総じてエレクトロニクスエンジニアといいます。常に進化する技術に対応し、多種多様な電子部品を生み出していきます。
電子工学と光工学の機能を合わせた先端分野をオプトエレクトロニクス(光電子工学)と呼びます。CDやCD-ROMにも応用されている技術です。光電子工学の研究をする人から開発された機器の保守・管理をする人までのすべてがオプトエレクトロニクスエンジニア。将来性が極めて有望視されているため、需要は高まる一方です。
冷蔵庫や洗濯機、テレビといった家電製品の点検・修理にあたるのが家電修理スタッフ。製品の不具合の原因がどの部分にあるのかを診断し、分解、パーツ交換などを行って故障部分を直していきます。修理完了後の動作確認や製品の設置作業も業務の一つ。はんだという溶接器具の使用方法や電子回路のしくみなどに精通していることが求められます。
機械設計者の依頼に応じて、コンピュータ上で2次元または3次元の設計図面を製作するのが機械設計CADオペレーター。この図面を用いて機械の構造に関する多様なデータを計測できるため、必要な部品の割り出しや重量、サイズ、コストなどの算出の際には欠かせないものとなっています。扱う図面も、組立図から部品図、解体図までと幅広いです。
【仕事人にきく】この職業のインタビューを見る
企業が新たに設備機械を導入するときや、既存の機械を改良しようとするときに、目的や要望に応じた機械を設計したり、改良するために必要な部品をつくったりするのが機械設計者の仕事です。扱う機械は大規模なものから小規模なものまで多種多様。工場で使われる機械を設計する場合は、生産システム全体の設計者と協力しながら仕事を進めます。
【必要な資格】
電気工事士
資格カタログを見る
電気にかかわる工事の計画・施工・監督を担当するのが電気工事エンジニアです。電気設備の配線図をもとに、電力会社から送られてくる電気の電圧を調節するための変電設備の設置、送電用ケーブルの配線工事、コンセントや照明器具の取り付け作業といった一連の業務を行います。現場スタッフの管理や適切な材料費配分なども業務に含まれます。
【必要な資格】
電気工事士
資格カタログを見る
ビルやマンションの電気設備から、道路、橋、公園といった土木建築物の照明設備まで、さまざまな電気設備の計画・設計にあたるのが電気設備設計エンジニアです。施設の用途、電気設備の使いやすさなどを考慮しながら、必要な電圧量や電気設備の配置、配線を計画し、工事用の施工図を作成します。また、防災設備の設計も同時に行います。
【必要な資格】
電気通信の工事担任者
資格カタログを見る
電話やインターネットをはじめとした電気通信回線の工事や保守を行うのが電気通信技術スタッフ。通信回線・通信網のシステムを構築したり、通信設備の設置工事を行ったりします。一般住宅の通信設備のみならず、電話の基地局、デジタル放送の中継局、企業の大規模な無線LANネットワークなど、その技術が必要とされる場は多岐にわたります。
電子制御とは、電子回路やコンピュータを機械に組み込んで、目的に沿った動作を行うようコントロールすること。家電製品や産業用ロボットなど幅広い分野で活用されている技術です。電子制御エンジニアは、制御を行うためのセンサーや電子回路を製作したり、機械に行わせたい動作をプログラミングしたりと、制御機器全般の開発を行います。
【必要な資格】 無線従事者資格のうちのいずれか資格カタログを見る
無線機器を利用してさまざまな種類の情報通信を行う技術者が無線通信士です。モールス信号による通信を行う総合無線通信士をはじめ、船舶の無線局と海岸局の陸上無線局の間で通信を行う海上無線通信士、航空機に設置された無線局(航空機局)と通信するために陸上に設置された無線局との間の無線通信を行う航空無線通信士などがいます。
メカトロニクスとは、メカニクス(機械工学)とエレクトロニクス(電子工学)の合成語。両分野にまたがった知識と技術を応用する仕事に従事するのがメカトロニクスエンジニアで、ロボットエンジニアもこの中に含まれます。具体的には、マイクロコンピュータを内蔵した各種家電製品、自動車、工業生産ロボットなどの開発に携わります。
【必要な資格】溶接技能者、ガス溶接技能者などのいずれか資格カタログを見る
溶接技術者は、電気、ガス、レーザーの熱などで金属を溶かし、つなぎ合わせて機械や建築資材などをつくるのが仕事です。複雑な構造の部品を製作することもあるため、溶接の順序や適切な溶接方法を設定した上で、材料に応じて熱や圧力を加えながら目的とする部材に仕上げます。溶接機械は自動化が進んでいますが、仕上げにはやはり人の力が必要です。
産業用ロボットや家庭用ロボットの設計やシステム開発を行うのがロボットエンジニアです。各ロボットの使用目的に沿って、適切な動作プログラムを作成したり、学習機能に基づいて、想定されるさまざまなケースに応じた動きを教えたりといった仕事を行います。ロボットのメンテナンスやトラブル対応を行う場合もあり、高度な専門知識が求められます。
可燃性ガスと酸素を用いた溶接を行うための必須資格。学科と実技についての講習受講と学科修了試験の合格で取得できる。
家電製品の設置、セットアップ、故障の修理などを行う技能を認定。AV情報家電と生活家電があり、いずれも取得した場合は総合エンジニアとして認定される。
機械設計に関する知識と技能を認定する。1〜3級があり、産業、荷役・運搬など各種機械や装置の仕様決定に必要な計算、構想図の作成などに関する知識を問う。
コンピュータを使って設計や製図業務を行う能力を評価する資格。基礎、1級、2級、3次元に分かれ、CAD機能やCADシステム、製図の基礎知識などを問う。
般用電気工作物や自家用電気工作物の電気工事作業などを行うにあたり必要な資格。1種と2種があり、指定教育機関の科目終了で、筆記試験が免除される。
発電設備や送配電設備など、電気工事の施工計画の立案、現場での工程・品質管理などを行うために必要な資格。1・2級があり、受験には所定の実務経験が必要。
事業用電気工作物の工事や保安監督を行う主任技術者としての資格。1〜3種がある。省庁指定の養成施設を修了後、一定の実務経験を積むと取得可能。
電気通信のネットワーク工事、維持、運用の監督を行うための資格。取り扱う業務範囲によって、伝送交換主任技術者資格と線路主任技術者資格の2種類に分かれる。
電気通信回線設備に端末設備や電気通信設備を接続する工事や監督をするための資格。アナログ(AI種)とデジタル(DD種)で各3種と、総合種の計7種類がある。
船舶の無線局、船舶と通信を行う地上の無線局、海岸局などで通信操作や技術操作を行うための技能を認定する。1〜4級があり、無線工学などの知識が必要。
航空機に設置された無線機や、これらと通信するために地上に設置された無線設備を操作するための技能を認定する。パイロットや航空管制官が取得する。
船舶、陸上などの無線局で無線設備の通信操作にあたるための資格。1〜3級があり、1級は無線の規模を問わずすべての通信機器を操作できる最高位の資格。
各種無線設備を取り扱うための必須資格。操作する機器の種類により海上(1〜3級、レーダー級)、航空、陸上(1〜3級、国内電信級)の9資格に分かれている。
陸上の無線設備の技術操作を行うための資格。1級と2級があり、1級は陸上無線通信の技術操作に関して最高位といわれ、活用先も放送局や無線局など幅広い。
溶接の技術を認定するための資格。材料や方法によって11種類に分かれている。すべての区分に基本級と専門級があり、それぞれ学科試験と実技試験を課す。