アナウンサーは、テレビ番組やラジオ番組などでニュース原稿を読む、実況中継を行う、番組司会を行うなど、声を使ってさまざまな情報を伝えるのが仕事です。ニュース番組の場合、専門家と視聴者との間に立って、専門用語や社会現象などをわかりやすく解説する役割もあります。聞き取りやすい発声、敬語活用能力、放送用語の熟知などが求められます。
テレビのアニメ番組やアニメ映画の総指揮をとるのがアニメ監督。作品の企画から、作画、映像制作、声優のキャスティング、編集に至るまでをてがけます。とはいえ、具体的な作業工程に携わるのではなく、監督は現場の作業を担当する数多くのスタッフを統括する役目を担います。制作の全工程に携わるため、制作全般にわたる専門知識が問われます。
映画制作において、企画から完成まで、現場の作業すべての指揮をとるのが映画監督です。シナリオに沿って映像画面を想定した絵コンテを作成し、ロケ地やカメラポジションを指定。スタッフやキャストの選定なども監督を中心に行い、撮影時には出演者に演技指導も行います。芸術的センスだけでなく、多くのスタッフをまとめる統率力や指導力も必要です。
映画、ドキュメンタリー、CM、ミュージッククリップ、テレビ番組のオープニング映像など、目的に応じて効果的な映像を制作する専門家が映像作家。シナリオ制作、撮影、画像処理、編集といった一連の流れを1人でこなす場合もあります。カメラ撮影による従来の手法に加えて、最近ではコンピュータグラフィックス(CG)の技術も欠かせません。
演劇、映画などで、脚本やシナリオに沿って俳優を演技指導したり、場面や効果を演出したりするのが演出家です。映像作品の場合は監督が全体の指揮をとることが多く、演出家は監督のイメージに沿った舞台をつくり上げていきます。一方、演劇などの舞台作品では、台本の読み合わせ、衣裳合わせから本番に至るまで、すべての指揮権が委ねられます。
ミュージシャンのCDの企画から制作、販売まですべてのプロセスの監督を務めるのが音楽プロデューサー。新人を発掘し、売り出すまでの総指揮をとることもあります。すぐれたプロデューサーは、音楽的なセンスはもちろん、CD購買層の嗜好をリサーチする力、予算を組み立てる金銭感覚など、幅広いビジネスのセンスを持っています。
音楽療法とは心理療法の一種です。音楽療法士は、音楽がもたらす心理的、生理的な効果を治療プロセスに応用し、心身に障害を抱える人や高齢者、ストレスに悩む人々への治療を実施します。高齢化が進み、またストレスとなる要因が増え続けているとされる現代社会において、音楽療法士が活躍できる場所は今後増えると予想されています。
主に、映画やテレビ番組、舞台などで音声を担当するのが音響スタッフです。集音マイクを使って音を拾ったり、必要な音とそうでない音を区別して、音声の質やボリュームを調整したり、マイクを効果的な位置にセッティングしたりといった業務を行います。また、効果音などを人工的につくり出すのも音響スタッフの仕事。音に関する専門家といえます。
映画やテレビドラマ、舞台などの脚本を書くのが脚本家やシナリオライター。脚本は映画や舞台の設計図となるもので、これをもとに制作資金やスケジュールなどを計画し、スタッフやキャストを調整します。このため、脚本制作時にはプロデューサーや監督と相談しながらディテールを練り上げていきます。構成力や文章力が不可欠な仕事です。
各種の芸能プロダクションにスタッフとして勤務し、プロダクションに所属している俳優やミュージシャン、タレントのマネージメント業務を行います。スケジュールの管理や仕事の折衝、マスコミへの取材応対などが主な仕事ですが、各種プロモーションのためのイベントを企画・実施したり、タレントの養成業務を行ったりすることも仕事に含まれます。
広告やCM制作の現場において、商品のコンセプトに沿った宣伝方法を立案し、どのような広告にしたらよいかを考えるプランニングから実際の制作にまで携わるのが広告・CMプランナーです。商品の特性や購買層、予算を踏まえながら最も効果的な作品をつくるための頭脳ともいえる存在です。発想力に加え、制作スタッフを統括する能力も必要。
商品・企業広告のキャッチフレーズや宣伝コピーを考えるのがコピーライター。伝えたいメッセージを印象的な言葉や文字で表現し、消費者の購買意欲を高めます。依頼主の意図を正確につかむことが重要。写真などビジュアル要素とマッチさせることでより大きな広告効果をねらうため、各担当と意見を交わしながら影響力のある作品をつくっていきます。
コンサートや野外ライブといった各種の音楽イベントの企画構成に携わるのがコンサートプランナー。会場の状況やアーティストの意向などを踏まえて進行・演出に関する企画を立案するだけでなく、会場の手配、照明や音響などの技術スタッフの手配、告知ポスターやチラシの手配といった運営全般を手がけます。企画力に加え、創造力が求められます。
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音づくりの達人ともいうべき存在がサウンドクリエイターです。具体的には、生の音にコンピュータやシンセサイザーで処理を施してまったく別の音につくり変えるサンプリングという作業や、決められた時間内に収まるよう調整しながら進める録音作業を行います。音楽業界のみならず、映画、ドラマ、ゲームに使用する音響効果にも携わります。
楽曲の歌詞をつくる人が作詞家です。先に詞をつくってから曲をつける場合と、あらかじめ用意された曲に詞をつける場合とがあります。楽曲のメロディーラインの構成には独特の規則性があるので、韻を踏む、文節ごとの長さを揃えるといったテクニックが求められます。また、聴き手の心に響く詞をつくるためには、豊かな語嚢と表現力も必要です。
さまざまな楽曲づくりに取り組むのが作曲家。歌謡曲のメロディーを手がけるソングライターと、映画やテレビなどのBGM(バックグラウンドミュージック)、CM音楽を手がけるコンポーザーがいます。最近はコンピュータを用いてのデジタル作曲も増えつつありますが、楽器を演奏しながら、浮かんだ旋律を譜面に書き留めていくのが一般的です。
各種雑誌の出版制作に携わります。雑誌のコンセプトに沿って担当企画を立案し、ときには編集者自ら取材もこなします。ライター、エディトリアルデザイナーなどの手配から印刷・製本のスケジュールまで、制作過程のすべてを管理します。ユニークな企画を立てるには幅広い知識が必要。また人と接することが多い仕事であるため、社交性も問われます。
外国映画のセリフを字幕用に翻訳するのが字幕翻訳家。劇場用映画の場合、通常、一度に表示される字幕は20文字までに収めるのが基本といわれています。外国語のセリフを単に訳するのではなく、日本の文化に合うような表現に変えたり、制限字数内に収まるよう再構築したりという作業が必要なため、「映画字幕は翻訳ではない」ともいわれています。
テレビやラジオ番組の収録の際、時間を管理するのがタイムキーパー。特に放送時間の決まっている生放送では、番組中のCMやVTRの時間をストップウォッチで計り、終了予定時刻ぴったりに放送が終われるよう指示を出します。また、収録番組では、撮影時間の長さを計り、番組の構成上どの部分をカットできそうかといった点をチェックします。
テレビ番組の制作にあたって、カメラを操作するのがテレビカメラマン。スタジオとロケ現場とでは使用するカメラが異なるため、各種機材の機能を把握し、操作できなければなりません。生中継の番組を担当する場合などは、瞬時に対応できる判断力も必要です。場合によっては映画やミュージッククリップなどテレビ以外の分野で撮影に携わる人もいます。
番組制作会社に勤務し、テレビやラジオ番組の制作にあたる仕事です。放送局からの依頼内容に沿った番組を手がけることもあれば、番組企画の立ち上げ段階からかかわる場合もあります。制作が始まれば、撮影内容に応じた機材やスタッフの手配、撮影、編集作業を経て完成した番組を納品するまでの一連の業務に、多くの専門スタッフが携わります。
映画やテレビ番組の制作にあたり、特殊効果を担当します。俳優に特殊メイクを施したり、ミニチュアを使って街の様子を再現したり、火薬を使った爆破シーンを演出したりと、仕事内容は多岐にわたります。また、撮影した映像にデジタル処理を施すなどの処理も行います。現実にはありえないものや実際には見えないものを視覚的に表現する仕事です。
映画の配給会社に勤務し、映画の配給・公開業務に携わる仕事です。国内・海外を問わず良い作品を探し、買い付ける業務にはじまり、観客動員数を高めるための効果的な宣伝を行ったり、作品を上映するための映画館を確保したりするのが主な仕事。また、作品のビデオ・DVD化事業や、テレビ放映に先立った放送媒体との契約事業なども行います。
PAとはPublic Addressの略語で、音を周りに広げていくといった意味を持ちます。PAミキサーの仕事は、マイクを通して演奏者の音を拾い、これをミキサーで処理してより良い音質、迫力のある音に高め、スピーカーを通して観客に音を提供すること。音響システムや機器の取り扱いについての知識はもちろんのこと、音楽的なセンスが求められます。
VTRエディターやフィルムエディターは、取材番組などで長時間録画したテープを、オンエアできる長さにまでカットし、つなぎ合わせるのが仕事です。プロデューサーやディレクターと相談しながら、録画された映像から必要な箇所を選び出し、放映順序を考えながら編集作業を行います。ナレーションや効果音などを映像に挿入することも仕事です。
光の演出家といえるのが、舞台照明スタッフです。映画やテレビ番組、舞台などで、演出家の意図に基づいた照明プランを立て、光の当て方、光量、タイミングなどを操作してステージや映像を効果的に演出します。カメラや観客席との位置を計算して、照明セットを調整することも必要。ライティングに関する知識や機器を操作する技術が求められます。
映画やテレビ番組、舞台などで使う舞台装置の製作や、手配と配置を行うのが舞台美術・大道具スタッフです。台本やシナリオに基づいて、監督や演出家と打ち合わせをし、演出の意図に沿った舞台装置や背景、小道具などを準備します。イメージ図の作成や舞台装置の製作を行うだけでなく、本番では場面転換に合わせてセットを入れ替えるなどの作業も行います。
テレビ番組、CM制作における最高責任者がプロデューサーです。企画立案、制作予算の管理、出演者の決定、出演者との交渉、スタッフのとりまとめ、スポンサーとの折衝など、制作進行の責任者として全般的な指揮をとります。撮影時など、制作現場においてはスケジュール通り作業が進行するよう、監督やディレクターをサポートします。
作曲家やシンガーソングライターが書いた原曲をもとに、楽器による編成を考えたり、ハーモニーやリズムを加えたりといったアレンジを施すのが編曲家の仕事。詞やメロディーをいっそう引き立て、楽曲としての完成度を高めていく専門家です。いわゆる歌謡曲だけでなく、ミュージカル曲やテレビ番組のテーマ曲などさまざまな曲を手がけます。
雑誌や書籍などの刊行物における記事の執筆を行うのがライター。編集者からの依頼を受け、企画のテーマに沿った記事を組み立てていきます。執筆に際しては、必要に応じて取材や参考資料のリサーチなども行います。得意とするジャンルやテーマを開拓し、これに関連した書籍や雑誌などでの仕事を通してステップアップをねらうのが一般的です。
主にミュージシャンのレコーディングに付き添い、ミュージシャンやディレクターの制作意図に従って音の編集作業全般を担当するのがレコーディングエンジニアの仕事です。それぞれの楽器から最高の音を収録できるようにマイクをセットし、録音機器を操作。収録した音源をミックスし、ミュージシャンのイメージ通りに曲を仕上げていきます。
テレビやラジオの番組で、番組進行や企画内容を台本としてかたちにするのが放送作家。とりわけ、バラエティ番組や情報番組などのコーナー企画や特集企画を提案するアイデアマンとして活躍している場合が多いです。視聴者やリスナーを引きつける斬新な企画提案を行えるよう、常に好奇心のアンテナを張り巡らせておくことが重要です。
映像産業に従事する際に必要な映像音響処理に関する基礎知識を認定。デジタル信号、ビデオ収録、音声処理のシステムなどについての知識を問う。
気分を落ち着かせるなど、音楽を意図的に心身の治療に活用する業務を行うための資格。音楽、心理学、医学、福祉などについての幅広い知識を問う。
音楽を最先端の録音機器で録音再生するための技術や知識を認定。音響理論やスタジオシステム、レコーディング技術や音楽著作権などについての知識を問う。
ホール・劇場等の舞台における音響機構の調整操作業務を行うための資格。1〜3級があり、音響プランの作成、音響機器・付属機器の配置などについて学科試験と実技試験を行う。
舞台・テレビ業界で働く照明技術者に必要な知識と技能を認定。舞台やテレビの設備、他の技術者とのかかわり方、照明機器の取り扱い技能などの知識を問う。
Digidesign社のノンリニアレコーダーであるPro Toolsのオペレーティング能力を認定する。機材の概要や録音・編集作業、ミキシングなどについて問う。
電子音楽の標準規格として、カラオケのデータや着信メロディーなどに用いられる「MIDI」を理解し活用できる能力を認定するための試験。1〜4級がある。
エレクトロニクスやオーディオなどに関する知識や技能を評価。1〜4級があり、ラジオや各種音響機器についての動作理論や設計・製作、回路などについて問う。